Accipiter Volume 20 (2014)

論文

渡良瀬遊水地における標識調査報告(2012)  山口恭弘・人見 潤・吉田邦雄・深井宣男

渡良瀬遊水地で実施している鳥類標識調査において,2012 年は45 種4,432 羽が新放鳥され,19 種194 羽が再捕獲された.また,この年に渡良瀬で新放鳥し他所で再捕獲された個体が2 種22 例あった.100 羽以上新放鳥された優占種は,オオジュリン,ツバメ,アオジ,コヨシキリ,ウグイス,シジュウカラであった.過去10 年の平均と比較すると,2011 年に続いてオオジュリンが多く,カシラダカが少なく,アオジがやや多かった.全体では種数は例年並みであったが,捕獲数は多かった.オオジュリンの優占度が著しく高かったほかは優占種の構成に変化はなかった.

 

渡良瀬遊水地における標識調査報告(2013)  山口恭弘・人見 潤・市川洋子

渡良瀬遊水地で実施している鳥類標識調査において,2013 年は 14 種 773 羽が新放鳥され,5 種4 0 羽が再捕獲された.また,この年に渡良瀬で新放鳥し他所で再捕獲された個体が1 種1 例あった.1 0 0 羽以上新放鳥された優占種は,オオジュリンのみであった.過去1 0 年の平均と比較すると,オオジュリンが多く,カシラダカが少なく,アオジがやや多かった.オオジュリンの新放鳥数の増加傾向は,2 0 1 1 年2 0 1 2 年に続いて3 年連続であった.カシラダカで9 . 1 %(1 1 羽中1 羽),アオジで2 7 . 3%(2 2 羽中6 羽),オオジュリンで2 6 . 0 %(2 6 9 羽中7 0 羽)の尾羽異常の個体が確認された.

 

春期におけるサンカノゴイの発声頻度について  平野敏明

サンカノゴイの鳴声による最適な調査時刻を検証するために,栃木県渡良瀬遊水地で2 0 0 7 年4 月中旬から下旬に2 回,夕方から早朝に発声調査を行った.調査地では両調査日とも,2 羽の雄が確認された.1 時間あたりの発声頻度は,1 回目では日没2 時間前から日没後1 時間と日出前2 時間から日出時刻にかけてピークとなり,2回目の調査では日の出1 時間前に最多回数を記録した.したがって,本研究の発声頻度は,先行研究と同様な傾向が得られた.風の強い2 回目の調査では,遠くの雄の鳴き声が聞き取り難かった.このことから,鳴き声によるサンカノゴイの生息調査を実施する際には,曇や雨の日を避けるほかに,風の強い日も避けることを提案した.

 

宇都宮市の河川と隣接する水田地帯における鳥類の生息状況の季節変動(2001-2013 年)樋口弘

2 0 0 1 年から2 0 1 3 年までの1 3 年間,栃木県宇都宮市の田川周辺の距離約4 ㎞,および姿川周辺の距離約5 ㎞の水田地帯で,鳥類の生息状況の季節変化について調査した.調査は毎年春,夏,秋,冬の各季に1 回実施した.記録された種は,田川周辺では5 1 種,姿川周辺では4 8 種であった.季節ごとの記録種数は両調査地とも春が最も多く,田川周辺では3 8 種,姿川周辺では3 7 種であった.出現頻度の高い主要な種で両調査地に共通する種は,ハシボソガラス,ハシブトガラス,ツバメ,ヒヨドリ,スズメ,ハクセキレイ,セグロセキレイ,カワラヒワであった.田川周辺だけで記録された主要な種はキセキレイとホオジロ,姿川だけの種はカルガモ,チュウサギ,モズ,ヒバリであった.両調査地における主要な種の出現率の違いや出現率の季節変動は,両調査地における環境の違いや各種の季節移動,それぞれの種の発声活動の季節変動などによる見つけ易さの違いと関係していることが示唆された.

短報

栃木県におけるコウノトリCiconia boyciana の2 例目の観察記録  稲葉一将

渡良瀬遊水地で2014年10月18日に7羽のコウノトリを観察した.本記録は栃木県における2例目の記録である.

観察記録

クモの巣に掛かったエナガ  平野敏明

宇都宮市の丘陵林で,2014年12月24日に種不明のクモの巣に掛かったエナガ1羽を目撃した.

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