「大規模な太陽光発電事業(メガソーラー)に関する要望」を県に提出

日本野鳥の会栃木では、森林伐採などが伴う大規模な太陽光発電施設(メガソーラー)建設は、希少な野生動植物の生息・生育地の喪失や自然生態系の悪化につながると懸念されることから、栃木県環境影響評価条例の対象事業に当該施設を加えることなどについて、栃木県知事に対し要望書を提出しました。

太陽光発電に関する要望書.pdf
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2016年9月23日

栃木県知事

福田 富一 様

 日本野鳥の会栃木 

代表 高松健比古

 

大規模な太陽光発電事業(メガソーラー)に関する要望

 

 日頃より自然環境および生物多様性の保全についてご尽力いただき、感謝申し上げます。

 さて、現在栃木県では、太陽光発電施設が急速に普及しています。太陽光発電は、二酸化炭素の排出がなく、枯渇の恐れのない再生可能エネルギーで、地球温暖化の防止や新たなエネルギー源として期待されています。

 

 しかし、太陽光発電施設のうち、大規模な地上設置型施設の建設においては森林伐採を伴うことが多く、希少な野生動植物の生息・生育地の喪失や自然生態系の悪化が危惧されています。また、太陽光発電は二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーですが、二酸化炭素の吸収を担い地球温暖化防止に貢献する森林を伐採して設置することは、本末転倒と言わざるを得ません。加えて、森林は土砂災害防止や美しい景観といった多面的機能を有しており、大規模な太陽光発電施設の建設によって森林を失うことは、これらの多面的機能も失うことになります。

 

 このようなことから、私たちは、大規模な太陽光発電施設の設置場所は、整備済工業用地等の未利用地や、大規模な建物の屋根・屋上・壁面・駐車場等、自然環境や生物多様性の保全に悪影響を及ぼさない場所に限るべきであると考えます。つきましては、太陽光発電事業と生物多様性等との共存を図り、人と自然が共生する県土づくりを進めるために、以下について早急に取り組まれることを強く要望いたします。

 

 

  1.  栃木県環境影響評価条例の対象事業に大規模な太陽光発電施設を加える。
  2.  太陽光発電施設の設置に関する新しい条例を制定する。その中で自然環境や生物多様性、景観、生活環境、土砂災害防止等の観点から、大規模な太陽光発電施設の建設に不適であり規制すべき地域を設定(ゾーニング)する。また、施設の建設にあたって、事業者に計画時点での公表および地域住民への説明会の開催を義務づける。

以上