メガソーラー建設に関する制度整備を栃木県に要望

森林伐採などを伴う大規模な太陽光発電施設(メガソーラー)の設置は、自然環境保全上の問題発生につながることから、2016年9月23日に栃木県に対し要望書を提出ましたが、未だ対応がなされないことから、2018年12月12日に再度「大規模な太陽光発電施設建設における栃木県環境影響評価条例などの制度の整備について」の要望書を提出しました。

メガソーラー要望書.pdf
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2018年12月12日

栃木県知事

福田 富一 様

 

日本野鳥の会栃木県支部

支部長 内田 裕之

 

大規模な太陽光発電施設(メガソーラー)建設における栃木県環境影響評価条例などの制度の整備についての要望

 

 日頃より環境行政にご尽力いただき、感謝申し上げます。

 さて、地球温暖化は、地球規模の気候変動をもたらし、人間活動や生物多様性に大きな影響を及ぼしています。それを抑制するには、化石燃料由来のエネルギーの使用を抑え、再生可能エネルギーの利用を拡大していく必要があることから、日本野鳥の会栃木県支部(以下、本支部)では、太陽光発電などの再生可能エネルギーについては、導入すべきと考えます。

 しかしながら近年、森林伐採などを伴う大規模な太陽光発電施設(以下、メガソーラー)の建設計画が多数みられるようになり、野鳥をはじめとする自然環境保全上の問題が、各地で発生しています。

 そのため本支部では、2016年9月23日付けで、栃木県(以下、県)に対して「大規模な太陽光発電事業(メガソーラー)に関する要望」を提出し、メガソーラーを栃木県環境影響評価条例(以下、環境アセス条例)の対象事業とするように要望しました。しかしながら、未だに対応がなされておらず、各地で問題が絶えません。

 つきましては、今回改めて以下の4点について要望申し上げます。特に環境アセス条例につきましては、国の環境アセス法への対応の動きも勘案し、早急に対応されますように強く要望するものです。

 ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

 

1 設置場所の限定

 メガソーラーの設置場所は、整備済工業用地などの未利用地や、大規模な建物の屋根・屋上・壁面・駐車場など、自然環境や生物多様性の保全に悪影響を及ぼさない場所に限るべきである。特に、鳥獣保護区などの野鳥の保護対象地、希少種の生息地、大規模越冬地や渡りの中継地及びその近傍地には、設置すべきでない。

 

2 ゾーニングに基づく場所の選定と立地規制

 県は、各種の条件を勘案したうえで、メガソーラーの設置可能場所のゾーニングを行い、自然保護や景観保全の観点から、設置規制などを行うべきである。その場合、人口が減少していくわが国の社会情勢を前提とした県土のデザインやエネルギー受給量の予測、必要な条例などの整備などを行っていくことが肝要である。

 

3 地域住民などとの十分な合意形成

 事業者は、メガソーラーの設置に当たって、地域住民や地元有識者、自然環境保全を含む各分野の専門家などと、十分な合意形成を果たしたうえで事業を進めるべきである。また、県は、事業者に十分な合意形成を果たすよう行政指導すべきである。

 

4 環境アセス条例などの制度の整備

 県は、一定規模以上の発電量や開発面積のメガソーラー計画については、環境アセス条例の対象とすべきである。また、それを下回る計画についても、事前届出制度や公表の義務付けなど、必要な制度を早急に整備し、問題発生に繋がりそうな計画を早期に把握するとともに、必要な行政指導を行うべきである。

以上