「野鳥撮影マナー」を守ろう!

日本野鳥の会栃木県支部では、公益財団法人日本野鳥の会が提唱する野鳥撮影のマナー7か条について、次のとおり周知・啓発等を行っています。

※ マスコミが撮影マナーに反して撮影した写真を掲載することで、一般カメラマンが同じような写真を撮ってもいいと思ってしまうなど、撮影モラルの低下を招く危険性があるため

皆さまも、野鳥を撮影する場合は、野鳥撮影マナーに配慮した撮影をお願いいたします。

 

加えて、当支部では、自然観察の心がまえとして、野鳥や自然に迷惑をかけないフィールドマナーを提唱しています。

 

なお、野鳥撮影マナーに反する写真を掲載しているホームページやSNS等への、個別の是正要請は、トラブルのもととなることから、当支部では行っておりませんので、ご了承ください。

 

野鳥撮影マナー

近年、カメラやレンズの性能が向上したことで、野鳥撮影を趣味とする方が増えています。その一方で、野鳥の生態に影響を与えたり、撮影場所の周囲の人に迷惑をかけたりと、撮影者のマナーの悪さが問題となっています。このため、野鳥の撮影等に際しては、次のマナーに十分ご配慮ください。保護・研究・普及教育など、野鳥保護につながる特定の目的を持った撮影の場合でも、同様にお願いします。

 

また、仮にこれらのマナーを守っていたとしても、営巣中の巣の写真などをインターネットなどに公開した場合、「こういった営巣などの写真の撮影は問題ないんだ」と誤解を招く危険性があり、野鳥に詳しくない方が、マナーに反して撮影しようとすることを、さらに助長させてしまう危険性があるのでご注意ください。

 

1 野鳥の巣には近づかない

春から夏にかけては、鳥たちの繁殖時期です。子育ての季節、親鳥は特に神経質になるものが多く、周囲の危険を感じたり、巣の周りの様子が変化したりすると、巣を見捨ててしまうことがあります。親鳥が首を伸ばしてこちらを見ていたり、羽毛を逆立てたり、鳴き声を出しているときは、警戒しているサインです。野鳥の巣には、決して近づかないようにしましょう。

 

加えて、営巣中(巣作り中を含む)の巣(巣穴・巣箱・巣台などを含む)やその巣にいるヒナ、あるいはその巣に入ろうとしている親鳥の撮影は避けましょう。

 

2 野鳥を追い回さない

日本国内への渡来が少ない、珍しい種類の野鳥たちは、主な生息地や渡りのルートから外れて渡来した場合が多く、体が弱ってしまっているケースがあります。その鳥が十分に休んで採食ができるように、接近しすぎたり、わざと飛ばしたりするような撮影は避けましょう。

 

3 珍鳥や人気の鳥の情報を公開しない

珍鳥や人気の鳥が現れたという情報が出ると、インターネットなどであっという間に拡散し、翌日には数百人が集まって地元の方々に迷惑をかける事態が増えています。出現場所の私有地への無断立ち入りや、道路で歩行者や車の通行を妨げたりしてしまうと、地元の人や利用者にストレスを与え、トラブルに発展する可能性があります。「知り合いに特別に教えてあげるだけ」と思っても、輪になって広がっていくものです。情報公開は控えましょう。

 

4 周囲の人や撮影場所選びには十分な配慮をする

撮影者同士の場所の取り合いや、私有地への無断立ち入りといったトラブルが増えており、時には警察が出動する騒ぎにまで発展することもあります。立ち入り禁止場所への侵入はもちろん、撮影場所確保のために歩行者が通る通路に三脚をセッティングしたり、長時間占有したりすることは避けてください。譲り合いの気持ちを持って、撮影を楽しみましょう。

 

また、住宅地にカメラを向けて撮影することも、あらぬ誤解の元となるので、注意してください。

 

5 餌付けや環境改変は行わない

野鳥は飼い鳥と違って、人の手を借りずに自然の中で生きていくべき鳥です。人間が撮影を目的として餌付けを行ってしまうと、本来は日本を離れるべき渡りの時期を逃してしまう可能性もあります。そうすると、野鳥本来の生活を変えてしまい、ひずみが生じます(秋に渡らず、冬の寒さに耐え切れず死んでしまうなど)。また、近年多く行われるのが、撮影のために木や枝の伐採や移植、土砂や岩石の移動といった環境改変の問題です。自然環境や野生動物の生活環境を変える行為は慎みましょう。

6 自然にやさしいマナーを心がけよう

撮影に関するマナーはもちろん、山や川といった自然環境において、ゴミや吸い殻をポイ捨てしないというのは、最低限のマナーです。特に森での喫煙は、森林火災を引き起こす可能性もあります。絶対にやめましょう。鳥や自然を相手に、フィールドでの迷惑行為をしないということはもちろんですが、周囲の人や近隣の方から理解を得られるよう、撮影者同士で声を掛け合うなど、マナー向上に努めましょう。

 

7 ストロボは使用しない

ストロボなどの人工照明は、野鳥たちにとって非常に強烈なものです。夜間の野鳥撮影では、ストロボの使用は絶対に避けてください。警戒心の強い野鳥たちを驚かせ、思わぬ事故につながる恐れがあります。暗い場所では、ISO感度を上げて撮影しましょう。

(C)キヤノンマーケティングジャパン株式会社  (C)公益財団法人 日本野鳥の会

野鳥観察・撮影の初心者の方に向けた、マナーのガイドライン

(公財)日本野鳥の会では、2022年4月26日に「野鳥観察・撮影の初心者の方に向けた、マナーのガイドライン」を作成し、マナー順守を呼びかけています。

 

「マナーガイドライン」チラシのダウンロード