Accipiter Volume 13 (2007)

論文

宇都宮市鬼怒川における水辺性鳥類の25年間の生息状況の変化  平野敏明

栃木県宇都宮市石井町の鬼怒川2.3kmにおいて、1980年代初頭に実施した水辺性鳥類の生息状況の変化を明らかにするために、2006年から2007年に同じ時期、同じ調査方法でラインセンサスを実施した。その結果、1981年冬期には15種、2006年冬期には22種を、1982年の繁殖期には14種、2006年には15種、2007年には16種をそれぞれ記録した。25年の間に、調査地ではカワウ、アオサギのように新たに記録された種やダイサギ、ハクセキレイ、イカルチドリ、コチドリのように個体数が有意に増加した種がいた。一方、セグロセキレイ、イソシギ、カルガモ、カイツブリの個体数は有意に減少した。カワウやアオサギ、ダイサギ、ハクセキレイは日本における繁殖分布の拡大や個体数の増加にともなって、調査地でも増加したと考えられた。一方、セグロセキレイやチドリ類、イソシギの個体数の変化は、河川環境の変化が理由の一つと考えられたが、さらに全国規模の詳しい調査が必要である。

短報

アメリカコハクチョウの観察記録 河地辰彦

栃木県大田原市片田の那珂川で2007年1月13日にコハクチョウの1亜種アメリカコハクチョウ2羽が観察された。

 

宇都宮市八幡山公園におけるヒガラの繁殖について 平野敏明

2007年6月に標高158mの丘陵林を利用した公園で、ヒガラの家族群が観察された。

 

山地帯下部における繁殖期のキバシリの観察 平野敏明

栃木県内の日光市や鹿沼市、那須塩原市の低山におけるキバシリの繁殖期における観察記録。このうち、標高550mの栃木県那須塩原市大網の山林では、2007年5月15日に巣立ちビナ3羽を含む家族群が観察された。

観察記録

栃木県北部における2006年野鳥観察記録報告 河地辰彦
茂木町における2007年のミゾゴイの記録 大町喜一・赤羽記念