那須ガーデンアウトレットの緑地帯について、9割保全で合意

当支部とオオタカ保護基金(以下、支部等)では、開発時に良好な環境と景観を維持するために那須ガーデンアウトレットの周囲に残した25m幅の帯状の樹林地(以下、緑地帯)について、5月17日に事業者である双日商業開発株式会社(以下、事業者)に対し、さらに7月8日にはもう一方の土地所有者である那須塩原市に対し、

  1. 現在の「緑地協定」を継続して緑地帯を現況のまま保全すること
  2. 緑地帯を改変して駐車場として利用する場合は、同等の面積・質を有する樹林地を確保して法的拘束力を伴う形で保全すること

の2点について要望してきました。

加えて、市に対しては問題解決に向けて、市、事業者、支部等による4者協議の開催を求めてきました。

 

その後、事業者と支部等の間で緑地帯保全について協議を重ね、8月20日に同市役所内で開催された4者協議において、当初の駐車場計画を大きく変更して約9割の緑地帯を保全することで合意に至りました。

一方で改変される1割の緑地帯については、施設内での植栽で「代替」することになりました。

この対応では、要望書にある「同等の面積と質を有する樹林地」とは言えませんが、支部等としては、事業者の大幅な計画変更に至る努力を汲んで、この内容で同意することとしました。

また、緑地帯が1割減少する分については、残された緑地帯内で生態系が向上するよう、質の高い森林の管理をお願いしました。加えて、施設内での植栽は、これまでの緑地協定の保全内容に示された種類(コナラ、クヌギ、アカマツなど同地に自生する在来種)とすることも確認しました。

 

なお、支部等としては、地域振興と生物多様性保全は相反するものではなく、両立できるものであることから、今後も市や事業者と連携をとりながら、那須地域の自然と共生する地域づくりに貢献していきたいと考えます。